乗車日 2022年1月07日
みなさん、こんにちは。keitripです。
北海道の最大都市・札幌から、千歳線、室蘭本線を通って東室蘭・室蘭まで※1日6往復走っている、特急すずらん号のご紹介です。
※すずらん2号、すずらん5号は、札幌~東室蘭のみの運転
札幌や南千歳から、フェリーの発着地として知られている「苫小牧」、民族共生象徴空間 ウポポイのある「白老」、日本有数の温泉地 登別温泉のある「登別」への、アクセス特急として案内されており、気になっている方も多いでしょう。
この記事では、室蘭13:38発のすずらん7号で、終点の札幌まで乗車。使用車両の車内の紹介や、混雑状況、車窓などをご案内します。
また、札幌から東室蘭までのほとんどの区間で、札幌~函館を結ぶ特急北斗号と同じルートを走るということで、特急北斗との違いも紹介します。よろしくお願いいたします。
始発の室蘭駅
ここは、室蘭本線の支線の終点駅、室蘭駅です。
今回乗車の特急すずらん7号は、13時38分発です。
なお、車内清掃のため、改札は発車の10分前(13時28分)に行われます。
特急すずらんの編成、使用車両について
使用車両は1990年に、JR北海道が初めて投入した特急型電車 785系と、
札幌~旭川を結ぶ「特急カムイ号」に使用される、789系1000番台の、2車種で運転されています。
5両編成で、
- 自由席 1、2、5号車
- 指定席 3、4号車(4号車はuシート)
詳しい車内の紹介は後ほど行います。
今回は、タイトルとサムネイルにある通り、785系に乗車しました。
この車両は2022年現在、特急すずらん号のみの充当で、2編成×5両=10両のみのレアな車両になります。
車内の紹介
デッキ等
ドアは、各車両2か所にあります。
お手洗いは、
・785系…2号車、4号車(車いす対応トイレ)、5号車
・789系…1号車、4号車(車いす対応トイレ)、5号車
にあります。
785系電車、789系1000番台電車共に、洋式のトイレになっており、揺れる車内でも安心して利用することができます。
1~3号車、5号車の客室
1号車~3号車、5号車の客室の紹介をします。
照明は785系、789系共に暖色系の照明で、同区間を走る特急北斗より落ち着いた印象です。
普通車の座席は、赤系のモケットで、テーブルは背面テーブル式となっています。
シートピッチは、960mmと過不足のない標準的な広さです。
4号車 uシート
続いて、今回乗車した4号車uシートの紹介です。
785系と789系の若干の違いを交えながらご案内します。
785系uシートの座席です。リクライニングが、他の号車と比べると大きく倒れます。
こちらの785系uシート車は、2002年に追加製造された新しい車両になります。
チケットホルダーは縦置きで、座席に縫う形で設置されています。
uシートの売りのコンセントは、座席背面に設置されています。
5号車寄りには、キャリーケース等の大型荷物を置ける、荷物棚が設置されています。
続いて789系1000番台のuシートです。
785系の座席と異なり、可動枕とドリンクホルダーが備わっています。キハ261系などに備わっている「グレードアップ座席」と同じモノと考えるとわかりやすいです。
チケットホルダーも、プラスチック製で横置きのものが採用されています。
キハ261系などのグレードアップ座席との違いは、コンセントが備わっていることと、シートピッチが違うことくらいです。
785系と789系1000番台の共通点として、窓が席ごとに独立しているのと、シートピッチが1050mmに拡大していることです。
グリーン車並みの設備となっていますが、自由席に+530円で乗ることができます。
通常座席の3号車と同じ料金なので、指定席に乗車する場合は、4号車をオススメします。
特急すずらん7号 室蘭→札幌 乗車記
13時37分 室蘭駅発車
13時37分 東室蘭を発車…その前に列車の行き先表示器をご覧ください。
特急すずらん札幌と表記されていますが、その下に「室蘭ー東室蘭間普通」と表記されています。
室蘭~東室蘭までは、普通列車扱いになります。そのため3号車・4号車の指定席も自由席として扱われます。
13時37分 室蘭駅を発車しました。4号車の車内は10名弱が乗車しています。
室蘭駅を発車して、すぐにトンネルに入ります。
そして、母恋めしで有名な母恋駅に到着です。
東室蘭から特急区間へ
御崎、輪西と停車し、長万部・函館からの特急北斗が合流してくる、13時49分 東室蘭駅(3番線)に到着しました。
自由席号車には、多くの方が並んでいました。
4号車に乗車していた方の大半が降りて行き、車内は3名程度になりました。
13時51分 室蘭を発車して、次の鷲別に停車。
そして、そのお隣の幌別と2連続で停車して行きます。
鷲別と幌別は、特急北斗号が通過する駅になります。
14時06分 登別温泉のアクセス駅 登別に到着。こちらも自由席号車に数名乗車してきました。
登別発車後、車内の散策をしてきました。
自由席(1~2、5号車)は、窓側の席も大半埋まり、それなりに賑わっています。
3号車指定席は、誰も乗っていませんでした。登別周辺から札幌は、道内で見れば距離も比較的短いこともあり、自由席の需要が高いことが分かります。
個人的にダイヤ改正前のように、3号車を自由席にしても良いと思います。
14時20分 白老に到着。自由席に数名乗車されました。
その後、95km程度で惰性走行をして、順調に進んでいきます。
進行方向右側に、王子製紙苫小牧工場が見えてくると、苫小牧です。
14時35分 苫小牧 到着 千歳線へ
14時35分 苫小牧に停車、ここで4人家族の方が乗車。
鵡川方面の日高本線と苫小牧貨物駅を、右に見ながら進みます。
7分ほど走行し、お隣の沼ノ端に到着。特急北斗号は通過する駅になります。
沼ノ端駅発車後、追分・岩見沢方面の室蘭本線としばらく並走したのちに、大きく左へカーブし分かれて、南千歳、札幌を目指します。
2016年に駅から信号場に格下げされた、美々信号場を通過すると…
14時53分 南千歳に到着。新千歳空港からの快速エアポート号と、釧路・帯広からの石勝線、特急おおぞら・特急とかちの合流、乗換駅です。
新千歳空港へ向かわれる方、帯広・釧路などの道東方面へお越しの方は、当駅でお乗り換えください。
14時56分 南千歳のお隣 千歳に到着。沼ノ端同様に特急北斗号、石勝線の特急おおぞら・とかちは通過する駅です。
快速エアポート号が停車する、恵庭、北広島を通過…
15時18分 新札幌に到着。大通、円山公園、宮の沢方面の地下鉄東西線の乗換駅になります。
新札幌で下車される方が数名いらっしゃいました。
旭川からの函館本線と並走し、複々線となります。
白石駅通過前後で、車内チャイムが鳴り、札幌駅の到着案内、乗換案内が行われます。
高架線に入り、ゆっくりと札幌のホームに入線。
15時28分 終点・札幌駅 到着
15時28分 終点・札幌に到着です。到着乗り場は5番線でした。
到着後は、回送列車として引き上げて、折り返し16時03分発 特急すずらん8号になります。
まとめ 特急北斗との違い
先に特急すずらん号の停車駅をまとめます。
札幌 ー 新札幌 ー 千歳 ー 南千歳 ー 沼ノ端 ー 苫小牧 ー 白老 ー 登別 ー 鷲別 ー 幌別 ー 東室蘭 ー (輪西) ー (御崎) ー (母恋) ー (室蘭)
太字は特急北斗が停まらない駅
()内の駅は、普通列車として運行する区間の駅
札幌~苫小牧~東室蘭間では、特急北斗号が11往復(季節運休含む)、特急すずらん号が6往復の17往復走っています。
特急すずらん号は、北斗号には2両のみ連結の自由席が、3両設けられているので、気楽に乗ることができます。
赤枠内にある通り、特急北斗より停車駅が多く、北斗が停まらない駅からも乗り換えなしで、札幌や南千歳に行くことが可能です。
マニアックな視点で行くと、uシートは北斗指定席と同じ料金で、グリーン車並みの快適性、全車両電球色照明で落ち着いた車内空間となっていることも売りですね…
また、札幌~東室蘭・室蘭 or 札幌~苫小牧で、乗車券往復割引きっぷに+370円の「すずらんオプション券」を使うと、北斗号よりも圧倒的に安く乗車することが可能です。
※特急北斗号にも「北斗オプション券」がありますが、札幌~伊達紋別・洞爺・長万部の設定となります。
最後に、鉄道ファン目線の感想になりますが、末端区間を普通列車として運転し、特急運転区間では、主要特急より停車駅が多く補完する役割を持っていることから、国鉄の急行列車のような雰囲気の列車でした。
そして2編成しか走っていないレア車両785系で運転で、北海道で一番地味ながらも、地味に面白い列車でした。
今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。