【地元ユーザー大好評】隠れた名車「EXEα」が色々と凄すぎる!

みなさん、こんにちは!小田急線ユーザー、神奈川県大和市在住のkeitrip/須田 恵斗です。

小田急ロマンスカーでは、2022年3月現在、EXE、EXEα、MSE、GSEの計4種の個性豊かな様々なロマンスカーが走っています。

今回は、新宿発着のロマンスカーで最も見かける頻度が高い「EXEα」の紹介です。
箱根や大山、江ノ島などの観光に行かれる際に、もしかしたら乗られるかなと思います。

普段から小田急を利用し、よくロマンスカーに乗車する小田急ユーザーの私が、EXEαの乗り心地などを紹介いたします。

今後、ロマンスカーに乗る機会のある方や、小田急ロマンスカーに興味がある方の参考になれば幸いです。

始発・新宿駅から乗車

小田急新宿駅。新宿駅ではロマンスカー専用ホームが設けられています。

6時58分 3・4番ホームに、今回乗る「EXEα」のさがみ61号が入線してきました。

EXEαとは

「EXEα」は、1996年に運行を開始したロマンスカー、30000形「EXE」の床下機器や外装、そして内装をリニューアルしたロマンスカーです。
「EXEα」としてのリニューアルデビューは、2017年からになります。

30000形は、6両と4両がそれぞれ7編成在籍、うち5本が「EXEα」にリニューアル済み、リニューアルされていない「EXE」は残り2本となりました。

この30000形リニューアル車両「EXEα」の特徴は、1000形や8000形のリニューアルを行った自社工場の相模大野ではなく、一部編成の製造元である車両製造メーカー「日本車両豊川製作所」にて、リニューアルがされたところにあります。

床下機器など全てを新型車両のように徹底的にリニューアルされたので、「EXE」の箱を使った新型車両と言っても過言ではありません。

リニューアル前の30000形 EXE

EXEαの外観

ムーンライトシルバーとディープグレイメタリックの2色のボディカラーで、シャープな印象。
そこにアクセントで、ロマンスカー伝統のバーミリオンオレンジのラインを配置し、リニューアル前よりスタイリッシュになりました。

未更新の「EXE」では、バーミリオンオレンジのラインがないので、これで「EXEα」もロマンスカーの仲間入りというを果たした。という印象を持った方もいるかもしれません…

EXEαのロゴです。黒文字と赤文字のシンプルなロゴとなっています。

2017年の初登場時に表記ミスがあり「ODAKYU-SUPRE EXPRESS・30000」と書かれていたそうです。

リニューアル前みたいに、でっかく「EXE」と書かれていないので、主張が控えめな印象です。

貫通側の車両デザインです。前面右半分を使って、側面同様のロゴが描かれています。

EXE、EXEα、MSEの特徴は、6両+4両=10両の組成ができること。

相模大野や小田原で連結・切り離しを行うことで、需要に応じた柔軟な運用ができたり、
10両編成の輸送力を活かして、モーニングウェイ号・ホームウェイ号で、最大で578名もの乗客を一度に輸送することができます。

行き先表示は、MSEやGSE同様に、フルカラーLED式となりました。
また、列車名と行き先が一体表示から交互表示になり、文字が格段に見やすくなったと思います。

車内:客室

EXEαの車内全景です。

壁面は、落ち着きのあるこげ茶の木目調。車内照明は、LEDの電球色照明に交換され、車内は明るくなりながらも、落ち着いた空間を演出しています。

座席は、藍色とクリームの組み合わせ。LED照明も相まって、EXEと比較すると、がらりと雰囲気が変わって明るい印象です。

ただ、ワクワクする車両ではなく、落ち着きのある車両として徹しているので、車内の印象は大きく変わりつつも、EXEの頃の名残を感じます。

EXEαの座席です。リクライニングは、EXE同様に申し訳程度しか倒れません。
が、ロマンスカーは長時間乗るような列車ではないので、この程度でも十分かと思います。

テーブルは、肘掛けテーブルが備わります。パソコン作業は難しいですが、食事をするのには、十分な大きさでしょう。

こちらも、車両デザインと合わせて、木目調の明るく清潔なものとなりました。

窓側座席には、コンセントが備わっています。

※最初にリニューアル工事が行われた、30251編成、30051編成には、コンセントが備わっていません。

5号車および8号車には、車いす対応座席が備わっています。

キャリーケースなどの大型荷物を持って、箱根の旅や、新宿等から乗り継いで遠方にお出かけされる方のために、5号車と9号車の客室内にはラゲージスペースが追設されました。

車内:5号車・8号車デッキ

5号車・8号車のデッキです。同号車に車いす対応座席があるため、車いす対応の「ゆったりトイレ」が1室と洗面台、男性用小便トイレが備わっています。

なお、リニューアル前の「EXE」では、8号車は車いすに対応してない、通常のお手洗いが備わっていました。

スペースが狭く暗くなりがちな、お手洗いやデッキは、徹底的なリニューアルで明るくなりました。

男性用小便トイレです。個室内の光量が明るく均一になっており、トイレ特有の圧迫感を感じにくくなっています。

5号車の洗面台は、ゆったりトイレがある関係で、連結部付近の進行方向に対し水平に配置されています。

車内:その他号車デッキ

デッキと客室の仕切り扉です。
リニューアル前は茶色いガラスでしたが、リニューアル後は上部が透明の白いガラスとなっています。

2号車には、男女共用トイレ・女性用トイレ・男性用小便トイレ・洗面台がそれぞれ1室備わっています。

2号車の洗面台は、暖簾をくぐった先にあり、手を洗っているわずかな時間のプライベートの確保しています。

男女共用トイレの様子です。鏡から間接照明にて、車内を照らしています。

また、赤ちゃんを乗せる椅子も備わっており、トイレに行かれる際も、一緒に連れて行くことができます。

扉は明るく白く化粧されており、より明るい印象を立てます。

リニューアルにより、70000形GSEや新5000形通勤電車と同様のドアチャイムと盲導鈴がなるようになりました。

3号車と9号車には、交通系ICカード対応の飲料自販機と、多目的室があります。

また、同号車の自販機と多目的室の間には、ラゲージスペースがあります。

乗り心地レビュー:さがみ61号 新宿→小田原

7時15分 新宿発車

7時15分 新宿駅を発車。車内は3割程度の乗車率です。
モーター、制御装置、駆動装置を新型のモノに交換したので、静かで滑らかに加速して行きます。

ゆっくりと新宿駅のカーブを曲がっていきます。

南新宿通過後、未更新の「EXE」とすれ違いました。

代々木上原駅までは複線。代々木上原駅直前で先行列車に追いつき、ゆっくり走ります。

その後、滑らかに加速して、小田急自慢の複々線区間に入ります。

列車密度が高いこともあり、60km~70km程度の速度で優雅に駆け抜けます。
歯車が回る駆動音がほとんど聞こえないので、車内はかなり静寂でした。

向ヶ丘遊園を通過して、インター区間からサバー区間に入ります。

7時37分 最初の停車駅:新百合ヶ丘に到着。ここで数名の方が乗車されました。

新百合ヶ丘発車後も、70kmくらいの速度を保ち、多摩の丘陵地帯を静かに駆け抜けていきます。

小田急で2番目に利用者数が多い町田に到着です。

7時46分 町田に到着

7時46分 町田駅 1番ホーム(副本線)に入線します。

ここで、各駅停車が先行して発車します。当駅(町田)始発片瀬江ノ島行きです。
小田急のラッシュ時の苦慮がここからも感じ取れます。

地元ユーザーから申し上げますが、新宿方面ほどではないものの、本厚木・藤沢方面のラッシュ時も意外と混み大変です。

その後、相模大野の通過線を通過。基本、ロマンスカーに乗車しないと経験できません。

そして相武台前を通過。先行列車が少ないので、100km近い速度で走ります。

WNドライブの惰性走行時特有の「ゴロゴロ」という音を耳を澄ませれば、聞こえるので、高速走行していることを感じます。

が、鉄道ファンでない方や、音に興味が無い方からすれば、普通に静かな走行音に聞こえるでしょう…

実際、最新の新幹線のように静かです。

そして、海老名を快速(静かに快適に爆走)して通過。

本厚木の到着案内が行われると、相模川を渡って、厚木市に入ります。

8時00分 本厚木到着

8時00分 新宿から45分 本厚木に到着。

その後も相変わらず、相模原の平野部を100km~110kmの速度で、静かに爆走していきます。

そして、愛甲石田を通過して伊勢原に到着。
小田急が近年、観光開発に力を入れている、大山阿夫利神社方面は、ここからバスに乗り換えです。

さがみ号と一部のはこね号は、丹沢・大山観光の利便を考えて、伊勢原と秦野に停車します。

その後、徐々に山間の区間に入っていき、優雅に駆け抜けていきます。

8時17分 秦野に到着です。こちらはヤビツ峠のアクセスの駅として知られています。

伊勢原と秦野で、それぞれ10名弱が降車されました。

秦野、渋沢を過ぎると、小田急らしからぬ、谷を川を縫うような、自然にあふれる区間を走行。

この区間は、ロングレール化があまりされておらず、ジョイント音がリズミカルにガタンガタンと聞こえて、通勤電車に乗ると気になる場所ですが、

静寂性が高く、音も揺れも気になりませんでした…

ジョイント音が響くとしたら、ポイントを高速で通過するときぐらいですかね…

新松田を通過、酒匂川を渡りいよいよラストスパートです。

小田原駅到着案内が行われると、伊豆箱根鉄道大雄山線と交差。
すぐ目の前には、大雄山線の五百羅漢駅があります。

小田急で最も利用者が少ない足柄を通過します。

フランジ音を、車内にかすかに響かせながら、ゆっくり静かに小田原駅に入線します。

8時35分 終点・小田原駅到着

8時35分 終点・小田原駅に到着しました。

ヨーロッパの駅風の大屋根が出迎えてくれます。特に夜に来ると写真映え・インスタ映えします。

とても快適なロマンスカーの旅でした。

おわりに 地味ながらも印象がいい「隠れた名車」

「GSE」と「MSE」のワクワクして、印象に残る2車種が走っていますが、
この「EXEα」は、それら2車種と比べると、地味でパッとせずイマイチ印象が、特に観光客からは残らなさそうだと思います。

ですが、明るく清潔な内装や、非常に静かな走行音から、乗ったことを思い出してみると、意外と印象がよさそうなロマンスカーだなと感じました。

リニューアルされる前の「EXE」では、はこね号に使うには、日常利用に寄ってて、観光客からは一定数の不評が出てしまっていましたが、
「EXEα」は、落ち着きがありつつ、明るい内装で、日常利用と観光利用をうまいこと両立。

「EXE」の残念な点を補い、バランスの取れた、これからのロマンスカーであることを、じっくり乗ってみて感じました。

まさにこれからの「隠れた名車」と言えるでしょう。

鉄道コム

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