関東の大手私鉄では、数多くの特急列車が走っており、東京から温泉などと言った観光地や空港を結んでいます。
その多くは、40分~1時間30分の乗車で、JR特急で言う普通車のみの設定です。
なのですが、関東私鉄で唯一、ある豪華シートが備えられている特急電車があります。
今回は、それに乗車して、車内の様子を紹介していきます。
東武日光駅
東武日光線の終着駅:東武日光駅です。三角の大屋根が特徴の駅舎となっています。
ということで改札を入り、「←6・5・4」と書かれた方向に進んでいきます。
今回乗車する車両の紹介
外観
改札から左に進んだ4番線に、乗車する特急が停まっています。
今回紹介するのは、現行の東武特急のフラッグシップ「スペーシア」です。
DRC色の101編成、日光詣色の103編成、106編成以外の全編成は、1991年登場当時の塗装に復刻される予定です。
ですので、今回乗車する「雅」の塗装は見ることができなくなります。
2022年4月現在「サコーラルオレンジ」「粋」は見ることができません。
「雅」カラーは、東京スカイツリーが含まれたロゴとなっています。
東武100系は、25‰の勾配と曲線が続く日光線北部の運転条件に適合させるため、全ての台車がモーターが付いた電動台車となっています。
全車両が電動車両と言うのも、スペック面で言えば、かなりの贅沢仕様です。
車内:個室席 ← 今回乗車する席
今回乗車する個室席です。浅草寄りの6号車に6室設定されています。
見ての通り、横にデカく広い席です。ブラウン系のシートで、かなり重厚感があります。
座席上部には、荷物棚が設置されています。
通路側の壁にはフックがあり、小さい荷物を掛けることができます。
個室なので、ドアを閉めることができ、プライベート空間を確保しながら、楽しい移動が可能です。
個室内には、AC100Vのコンセントがあります。
6号車の通路です。まるでブルートレインのような雰囲気です。
入り口には「SPACIA COMPARTMENT」と書かれた、ロゴがあります。
個室料金は区間にかかわらず、平日3,150円、休日3770円です。
乗車券と特急料金が別途必要で、発券時には乗車人数分の特急料金が包括されています。
車内:一般車
一般席の車内です。他の私鉄特急同様、2列+2列=4列のシートとなっています。
2012年頃のリニューアルの際に、座席モケットが交換されました。
東武鉄道のCIカラー「フィーチャーブルー」基調となっています。
色合い的に、東京スカイツリーをイメージしたものにも見えます。
フットレストは、靴履きながらの使用と、靴を脱いで使用できる表裏があるタイプとなります。
テーブルは、座席を回転しても使用できる、壁掛けテーブルと、肘掛けテーブルが備わっています。
車内:1号車・4号車・6号車 お手洗い等
続いてお手洗い等の設備を紹介します。
お手洗いは1号車・4号車・6号車にあり、どの号車も洋式トイレ、和式トイレ、洗面台と同じ構成となっています。
洋式トイレの内部です。ボタン式水栓となっています。
洋式トイレの反対側では、数が少なくなった和式トイレとなっています。
また、ベビーシートが設置されています。
洗面台です。自動水栓式で、横にあるレバーで温度調整ができます。
3号車には、営業を終了した売店スペースがあります。また、自販機が設置されていましたが、こちらも使用が停止されています。
上にある照明が、バブリーな感じの豪華さがあります。
特急スペーシアけごん26号 乗車記
東武日光 発車
11時25分 東武日光駅を発車。VVVFの励磁音が聴こえますが、防音性も高く静かです。
東武日光駅発車直後、JR日光線日光駅と男体山を見れます。
その後、下り勾配を下って上今市駅を通過。
少し話は変わりますが、東武日光駅売店で売っていた、栃木名物レモン牛乳のソフトクリームが売ってたので、これを食べながら過ごしていました。
下今市 到着
11時32分 鬼怒川線との合流駅:下今市駅に到着です。
下今市駅から鬼怒川線からの乗り換え客で、6室ある個室は、全室埋まりました。
その後も、山の間を縫って、勾配を下っていきます。
新鹿沼駅に到着しました。
新鹿沼を出ると、徐々に景色が開けてきて、関東平野の広がった景色となります。
新栃木では、車両基地が見えてきて、宇都宮線が合流してきます。
その後、高架線を上って栃木の街の中へ入ります。
栃木 到着
栃木駅に到着です。栃木は、蔵の街、小江戸として知られています。JR両毛線と乗り換えができます。
その後、北関東の雄大な山が見える田園風景の中を進んでいきます。
栗橋駅の手前では、日本最大の流域面積と、日本第2位の長さをもつ利根川を渡ります。
その後、栗橋駅を通過。JR直通特急が通る、JR線と東武線の連絡線はここにあります。
南栗橋駅を通過。日光ローカルと呼ばれる区間はここで終了、20400型はここまでしかやってきません。田園都市線・半蔵門線の直通電車は、ここが北限です。
ここから、ローカル線のような感じから、郊外路線の雰囲気に変わります。
東武動物公園では、伊勢崎線が合流、日比谷線直通電車も走り、すれ違う車両のバラエティも豊かになってきます。
春日部到着
栃木から約50km 35分間ノンストップで走り抜け、春日部に到着です。東武アーバンパークラインは乗換です。
栃木から春日部までの間、座席の座り心地がよくて、軽く横になっていました。
スペーシアの個室席は、昼寝にはうってつけの、心地よい席でした。
北越谷駅を通過。北越谷駅~北千住駅間の18.9kmは、私鉄で最も長い複々線となっています。
北越谷では、田園都市線・半蔵門線直通の急行を追い抜かしました。
その後、100km速度で複々線を駆け抜けていきます。
北千住到着直前、荒川を渡ります。
北千住 到着
13時02分 春日部から20分 北千住駅に到着しました。ここで地下鉄等に乗り換えのため、多くの方が降りられます。
北千住駅発車後、カーブが多くなり、ゆっくりと下町の区間を走っていきます。
曳舟駅通過前後、車内放送が行われます。
とうきょうスカイツリー 到着
とうきょうスカイツリー駅に到着しました。高さ634mの電波塔、東京スカイツリーの目の前にある駅です。
東京スカイツリー駅は、業平橋駅(現:とうきょうスカイツリー駅)の貨物ホーム、地平ホームの跡地に作られました。
発車後、後ろを振り向くと、東京スカイツリーを見ることができます。こうやって車内から見ると圧巻すね…
その後、ゆっくり隅田川を渡りながら、橋梁上にあるポイントを通過します。
15km以下の速度で急カーブを通過し、ホームに入線します。
終点:浅草駅到着
13時14分 東武日光から1時間50分 終点:浅草駅4番線に到着しました。
到着後は、回送列車としてすぐ発車します。
まとめ
1時間50分のそこそこ長い乗車時間でしたが、個室でプライベート空間を確保しながらの移動で、
時間が過ぎるのが、本当にあっという間でした。
関東では、あまり見かけることのない個室席ですが、
それなりの頻度の運転で、そこそこリーズナブルに、気楽に乗ることができます。
日光・鬼怒川へお出かけの際は、ぜひ使ってみてください。
2023年度に導入する、新型スペーシアでは、コックピットスイート、コンパートメント、ボックスシートの3種類の、個室席、準個室席が用意されて、
サフィール踊り子のような上質な鉄道旅を楽しめるようになるそうです。
こちらも非常に楽しみですね…
今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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