2020年9月15日
新幹線と在来線を乗り継いで、青森へやってきました。
今回の目的は、青森発のリゾートしらかみに乗ることです。
リゾートしらかみがやってくるまで約3時間あるので、その間に観光をしてきました。
その中で、一番見てておもしろかった「青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸」の様子を紹介します。
青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸とは?
現在、青森と函館間(青函)の人と物の移動は、北海道新幹線(新幹線開業前は津軽海峡線)が通る、青函トンネルで行われていますが
1988年の青函トンネル開業までは、青森と函館を結ぶ鉄道連絡船が使われていました。
この鉄道連絡船は、その名の通り鉄道同士を連絡する航路でしたので、みどりの窓口で乗船券を発券できました。
この青函連絡船として使われた八甲田丸を、青函連絡船の資料館として展示しているのが、青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸です。
鉄道連絡船の特徴として、貨車などを船の甲板に入れるための線路が敷かれた桟橋があります。
入口
青森駅の一番北側に向かうと、乗船の階段があります。
なお、青森駅を東西に連絡する歩道橋からも行くことができます。この歩道橋はかつて、乗船口と鉄道ホームを結ぶためのものとして使われていました。
入ってすぐに、チケットを購入もしくは、提示します。
今回は、「ねぶたの家 ワ・ラッセ」との共通券で乗船しました。ここで大きな荷物を預けます。
入ったらすぐに順路に従って、赤い階段で3階に上がります。
青函連絡船で運んでたもの
青函連絡船で色んなものを運んでたものを、物語とともに展示しています。
展示の中には、昔の運賃表もありました。物価の違いを実感します。
写真には撮れませんが、7分間の青函連絡船に関するビデオが流れるシアタールームがあり、
その先に、トイレがあります。このトイレ、現役時代とほとんど変わっていません。
青函連絡船の座席と寝台席が展示されていました。
椅子が列車と同じところが、面白いですね。
青函連絡船時代に使われていた、看板が保存されています。
鉄道の看板とほぼ一緒ですね…
喫茶室という表現が、時代を感じさせます。今だったら「カフェコーナー」って表現しますよね…
操舵室
八甲田丸の操舵室です。レバーやスイッチ、計器類がごちゃごちゃしててわけがわからないです。
めちゃめちゃかっこいい!!!
車両甲板
操舵室のある4階から、エレベーターで一気に1階に降ります。この1階は車両甲板となっています。
フェリーだと、乗用車を置くスペースになっていますが、青函連絡船では、鉄道車両を置くスペースとなっています。
連絡船にある車止めです。車両が動かないように、連結器で車両と繋いでいました。
日本各地で、活躍していたキハ82が展示されています。
車内に入ることはできませんが、車両まるごと保存されています。保存車両としては大変貴重なものですね…
この赤い車両は、船に貨車などを入れるための機関車です。
なお、この機関車は重く船に直接入れないため、控車と呼ばれる貨車を数両、船側に繋げて入れていました。
心臓部機関室
車両甲板の途中に降りる階段を降りると、心臓部の機関室がありました。
地下1階、つまり海面下にあるため涼しいです。
そして、機関室を、まるごと展示しているのはなかなかありません。大変貴重です。
巨大な船体を動かすためにエンジン自体が大変大きく、8基も搭載されていました。
機関室の奥に進むと、総括制御室があります。この部屋でエンジンの状態を見ていました。
中は防音設備と空調設備が整っており、快適な環境となっていたそうです。
水密隔壁の通り道の、水密扉を通ることができます。
これで船の安全が保たれていたのですね…
機関室の奥に進むと、発電機の展示がありました。
この発電機で、機関・通信・照明などのすべての電力を賄っていたそうです。
八甲田丸には、主発電機(700KVA)3台と主軸駆動発電機(900KVA)1台、補助発電機(70KVA)が備わっていました。
発電機のところから階段を上がって、再び車両甲板にでます。
そしてまた階段を上がると、2階の出入り口のところまで戻ってきました。以上で見学終了です。
まとめ:青森で迷ったらここに行こう
中に多くの貴重な資料があり、現役当時とほぼ変わらない姿で保存されているものも多く、大変面白かったです。
本州と函館の、物流事情などもわかって大変面白かったです。
鉄道ファンの視点としては、昔の配線図や車両が展示されているため、そこも面白かったです。
鉄道ファンや船マニアはもちろん、そういったことに興味がない方でも十分楽しめると思います。
青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸は、青森駅から歩いて約5分のところにあり、また「ねぶたの家ワ・ラッセ」や「青森観光物産館アスパム」に比較的近い位置にあります。
青森に来て時間があったらぜひ訪れてみてください。