乗車日:2021年9月01日
みなさん、こんにちは!keitripです。
雄大な白神山地や、日本海の美しい絶景を走行する、人気ローカル線「五能線」
五能線を毎日のように走る人気観光列車「リゾートしらかみ」、東北の旅行パンフレットやJRの広告などで流れて気になっている方が多くいるでしょう。
今回は、実際にリゾートしらかみ号に乗って、車内の様子や車窓などをご案内いたします。
リゾートしらかみの料金、運賃
リゾートしらかみは、全車指定席制の快速列車。普通車のみの設定です。
- 通常期 530円
- 閑散期 330円
特急列車ではないので、北海道&東日本パス、青春18きっぷでも、指定席券を購入すれば乗車ができます。
片道の運賃は、
- 秋田~深浦~青森 4,510円 営業キロ 247.6km
- 秋田~深浦~弘前 4,070円 営業キロ 210.2km
となっています。
※ 乗車券を購入の際は、 “深浦” や “鯵ヶ沢” などの五能線の駅を確実に指定してください。
途中駅を指定せずに発券すると、東能代~川部間は奥羽本線の経由となる可能性があります。
なお、リゾートしらかみが走行する経路
- 奥羽本線 秋田~東能代
- 五能線 東能代~深浦~川部~弘前
- 奥羽本線 弘前~青森
が乗り降り自由の、五能線フリーパスが発売されています。
・有効期間 = 2日間 通年販売、通年利用 発売料金 = 3,840円
また、びゅうトラベルの「のってたのしい列車旅」によるツアーも多数発売されています。
※最低申し込み人数2名様から
リゾートしらかみの車両
HB-E300系 青池編成
2010年12月、キハ48系の「初代・青池編成」を置き換える形で、デビューしました。
白神山地の十二湖の一つ、神秘的な「青池」から名前とデザインが取られました。
2021年11月現在、この青池編成と橅編成は、ハイブリッド車両「HB-E300系」で運行しています。
後ほど、詳しい車内の様子を紹介します。
HB-E300系 橅編成
2016年7月、「初代・橅編成」を置き換える形で、デビューした編成です。
世界遺産 白神山地のブナの原生林がコンセプトの編成。
車内の展望席には、ブナの木をイメージしたオブジェがあり、車内も木目調の洒落た車内になっています。
また3号車には、車内販売カウンター「ORAHOカウンター」が設置、アイス、コーヒーはもちろん、リンゴジュースなども購入できます。
キハ48系 くまげら編成
2006年3月デビュー
白神山地に生息するクマゲラ、日本海に沈む夕日がコンセプトの編成です。
2021年3月のダイヤ改正で、五能線の主力車両であったキハ40・キハ48が置き換えられたため、
JR東日本では数少ない車種で、近年注目されている編成となっています。
今回乗車する「青池編成」の外観、内装など
外観
今回乗車するのは、HB-E300系「青池編成」。
観光列車は、既存の車両を改造して出来ることが多いですが、こちらは専用の形式をとして新製されています。
リゾートしらかみで使われる3編成は、全て4両編成です。
乗降扉付近には、「リゾートしらかみ 青池」のロゴが表記されています。
ということで、車内に入っていきましょう。
ドアにはステップがあるので、乗車の際は十分注意してください。
車内
リゾートしらかみの1・3・4号車の座席です。
特急列車同様、4列配置のリクライニングシートが並びます。
シートピッチは1200mmとかなり広く、リクライニングを倒されてもあまり狭くなることはありません。
五能線内で海側になる席は、A席となっています。
リクライニングもかなり深く倒れて、快適に休むことが可能です。
テーブルは、背面テーブルと肘掛けテーブルの両方が備わっており、
席を向かい合わせにしても、飲み物等の置き場所に困ることはありません。
2号車は、ボックス席。
海側に席が来るように配置されています。
そのため、14系や24系などの寝台列車のような雰囲気となっています。
ボックス席はこんな感じ。
この青池編成では、1番~9番のすべての座席でフルフラットに倒すことができます。
先頭の1号車、4号車の運転台後ろは展望席。大きな窓から景色を眺めることが可能です。
リゾートしらかみの乗車記念スタンプは、こちらにあります。
展望席の山側(五能線内)には、リゾートしらかみの観光案内モニターが設置されています。
運転台後ろには、充電用のコンセントが設置。充電に困ることもないでしょう。
中間車の3号車にも、フリースペースがあります。車内イベントで使われることがあるようです。
デッキにやってきました。
五能線の観光パンフレットと乗車記念証がドア横に備わっています。
客室入り口には、キャリーケースなどの大型荷物向けの荷物棚があります。
1号車と3号車には、車いす対応の大型トイレと、男性用トイレがあります。
リゾートしらかみ号には、JR-EAST FREE Wi-Fi があり、車内で秋田県、青森県などの観光情報を見ることが出来ます。
以上で車内の紹介を終わります。
リゾートしらかみ5号 乗車記
始発の秋田駅 13時27分、2番線に入線
ここは、秋田新幹線「こまち」の終着駅、秋田駅。
リゾートしらかみ号の表示がされています。着発番線は2番線。
2番線の方へ向かうと、リゾートしらかみの広告があります。
13時27分 青森からの、リゾートしらかみ2号の折り返し列車として入線してきました。
到着直後、中線に入った貨物列車が発車。反対側から列車の全景を撮ることが出来ます。
2番線に向かうと、駅員や乗務員によるリゾートしらかみと記念撮影が行われていました。
せっかくなので撮影…
13時45分頃、車内清掃が終わりドアが開き乗車します。
13時57分 秋田駅発車
13時57分 秋田駅を定刻通り発車しました。
車内は、1割程度の乗車でかなりガラガラです。
そして進行方向右側を見ると、土崎工場が見えてきます。
14時08分 追分に停車
そして進行方向左側を見ると、男鹿半島へ向かう男鹿線が分岐して行きます。
そのまま進行方向左側を見ると、男鹿半島にそびえ立つ寒風山(海抜355m)が、八郎潟と共に見えてきます。
八郎潟は、かつて日本で2番目に大きかった湖、昭和52年に干拓工事が完成したことによって、水田ができ、米の生産地となっています。
14時22分 八郎潟に到着
その後も、左に八郎潟の干拓地を見ながら、100km近い速度で進みます。
車内では、次の東能代から進行方向が切り替わるため、車掌さんが空席の座席を回していました。
東能代の手前、北金岡で特急つがる4号 青森行きとすれ違い待ちのため、運転停車。
左側から、列車がこれから進む五能線と合流すると…
14時51分 東能代到着 進行方向を変えて、五能線へ
14時51分 東能代に停車。7分ほど停車して、五能線に入ります。3月の改正で運用離脱したキハ40系が留置されていました。
到着と同時に、リゾートしらかみ3兄弟のテーマが駅構内に流れます。
ホーム上には、五能線の0キロポストと、くまげら編成をモチーフにした待合室があります。
待合室の中には、キハ58系の運転台が置いてあります。
14時58分 東能代を発車。田園風景の中を進み、能代市内を目指します。
15時03分 能代駅に到着
バスケの名門「能代工業高校(現・能代科学技術高校)」があり、バスケの街として知られている能代市。
駅構内にはバスケットゴールがあり、1号と3号は15分ほど停車、バスケの体験ができます。
能代駅を発車すると、米代川を渡ります。その後、青森県津軽半島出身の吉幾三さんによる、自動放送も行われ始めました。
15時19分頃 いよいよ、目玉である日本海に沿って走っていきます。
15時27分 あきた白神に到着。
八森いさりび温泉ハタハタ館、あきた白神体験センターと駅が直結しています。
15時32分 岩舘に到着
岩舘では、東能代行きの普通列車とすれ違います。
日本海の絶景区間で減速運転
岩舘駅発車後、秋田県から青森県に入ります。
そして、日本海の絶景区間にて15km~25kmの速度で徐行して走ります。
とにかく、ひたすら海沿いの絶景の中を進みます。
15時56分 十二湖駅に到着。ここから数名の方が乗車されました。
十二湖とは、1704年に起きた大地震で、沢がせき止められ形成された33の湖沼群です。
全体を眺望できる大崩の頂上から眺めると、小さい池が隠れ、大きい池が12個見えることから「十二湖」と付けられました。
十二湖を発車してS字カーブを描くと”JR東日本で1番短いトンネル”の「仙北岩トンネル」を通過。
トンネルの長さは全長9.5m。一瞬で通り過ぎて行きます。
16時09分 ウェスパ椿山に到着。今年(2021年)10月31日に閉館となったウェスパ椿山が、駅名の由来。
みちのく温泉旅館や、黄金崎不老ふ死温泉への送迎バスが発着するため、ここで3割程度の乗客が入れ替わるように乗り降りして行きました。
その後、日本海の目の前にある水田を見ながら通過…
深浦駅の到着放送が行われると、漁港の街を見ながら、左へカーブしてトンネルへ入っていきます。
16時23分 深浦に到着 20分の停車時間で周辺を散策
16時23分 深浦に停車。ここで、列車行き違いのため20分停車。
この深浦は、日本海に沈む夕日が美しい町として有名なところ。駅名表には、五能線と夕日が描かれていました。
駅を出て、右側へ少し歩いていくと、恵比須神社の”大岩”を見ることが出来ます。
五能線沿線には、数えきれないほどの奇岩がありますが、この”大岩”は遊歩道が整備されており、実際に岩の上に安全に立ち入ることが出来ます。
頑張れば駅と大岩を15分ほどで往復できそうです…私は行きませんでしたが。
16時39分 初代青池編成を使用した。五能線クルーズトレイン4号とすれ違いました。
通常は、青森からのリゾートしらかみ4号として走りますが、この日はキハ48系のくまげら編成が運用に入らず、代わりに五能線クルーズトレインが運転されていたようです。
ということで!!!2代目の青池編成と、初代青池編成が並びました…
16時43分 深浦駅を発車。段々と陽が傾いてきました。
17時08分 千畳敷に停車 15分ほど千畳敷海岸を散策
17時08分 千畳敷に停車。駅の目の間にある千畳敷海岸の見学のため、15分停車します。
ここ千畳敷海岸は、1792年(寛政4年)の地震により隆起して出来た岩床の海岸。
その昔、津軽の殿様が千枚の畳を敷いて大宴会を開いたとの伝説が残っているのが、名前の由来。
独特の形をした奇岩が連なる美しい地形から、「日本の海水浴場55選」に選ばれています。
美しい岩々と荒々しい海で、日本海らしさを感じされる場所です。
この千畳敷海岸は、「日本の夕日100選」に選ばれています。
ちょうど日が傾いてきているため、夕日と反射する海、そして岩々によって幻想的な光景が広がってきました。
海岸入り口には、太宰治の文学碑があります。
発車の3分前、汽笛が3回鳴ります。乗り遅れないように、列車内に戻っていきましょう。
17時23分 千畳敷を発車。
5分ほどして千畳敷の次の駅、北金ヶ沢に運転停車。
リゾートしらかみ6号秋田行き「橅編成」とすれ違います。
もうすぐ陽が沈みそうです。海岸沿いの家々と夕陽がエモい…
17時48分 鰺ヶ沢に停車。深浦行き普通とすれ違います。
ここ鰺ヶ沢は、昨年6月に亡くなった人気のブサかわ犬「わさお」が住んでいた場所です。
また、ここは「ヒラメの漬け丼」が有名な場所でもあります。
鰺ヶ沢を発車すると、日本海とはお別れです。
段々と津軽平野の内陸部へ進んでいきます。進行方向右側を向くと、青森県の最高峰、別名「津軽富士」の岩木山が見えてきます。
津軽平野に沈む夕日を見ながら、津軽森田、木造と停車。
18時14分 五所川原に停車。ストーブ列車で有名な津軽鉄道は、ここから出ています。
太宰治記念館「斜陽館」へは、津軽鉄道で金木へお越しください。
車内は、青森や弘前へ向かう方が数名乗車してきました。
陽が沈んだ直後の車内は、とてもエモい…
そしてシルエットのような岩木山も非常にエモい。
陸奥鶴田、板柳、藤崎とリゾートしらかみは停まっていきます。
藤崎は、「ふじ」りんごの発祥の地。「ふじ」の由来は、”藤崎”から来ています。
18時41分 五能線の終点 川辺に到着。弘前を目指す
18時41分 川部に停車。発車時刻は18時47分。
ここは、五能線の終点の駅です。起点の東能代から147kmの地点にあります。
ここから奥羽本線を北上すれば、終点の青森ですが、弘前へ立ち寄るため進行方向を変えて、10分程度ですが南下します。
弘前到着後に、また進行方向が変わるため、座席を回転させる必要はなさそうです。
18時54分 弘前に停車。青森、八戸と並ぶ、青森三大都市。
ここで多くの乗り降りがありました。
その後、再び進行方向を変えて、奥羽本線を青森へ向けて北上。
先ほど停車した川部駅を通過して行きます。あたりは完全に真っ暗になりました。
19時27分 東北新幹線、北海道新幹線との乗換駅。新青森に到着。
次の東京行きの新幹線は、19時44分発 はやぶさ48号です。東京行きの最終便なので、乗り遅れのないように注意してください。
19時38分 終点:青森に到着
19時38分(秋田から5時間41分) 終点・青森に到着。
到着ホームは、3番線です。約6時間の乗車ですが、飽きることなく楽しい乗車でした。
まとめ 満足した6時間弱の乗車
今回は、始発の秋田から終点の青森まで一気に、6時間弱かけて乗りとおしましたが…
美しい日本海の景色、深浦駅や千畳敷駅でのちょっとした周辺散策、津軽平野に沈む美しい夕陽などで、特に飽きることのなかった楽しい乗車でした。
リゾートしらかみは、3往復運転しているので、別の便に乗って景色などを乗り比べるのも面白そうかなと個人的には思っています。
気になっている方は、ぜひ秋田・青森を訪れて乗ってみてください。
・海側の景色を見るなら、A席を指定しましょう。
・他のリゾートしらかみでは、「津軽弁語り部」や「津軽三味線生演奏」などの、車内イベントも行われていますので、お楽しみください。
びゅうプラザより、1泊2日 or 2泊3日のリゾートしらかみの旅行プランも販売されています。併せてご検討ください。
「黄金崎不老ふ死温泉」や「星野リゾート 界 津軽」などの沿線の旅館への宿泊や、北海道新幹線に乗って「道南・函館」を一緒に観光するプランなど複数あります。
※最低申し込み人数2名様から
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