みなさん、こんにちは。keitrip/須田 恵斗です。
長野・北陸新幹線開業に伴いJRとして廃止された、長野県内の並行在来線の信越本線を引き継いだ第三セクター鉄道、しなの鉄道線。
しなの鉄道線では、開業当初から国鉄時代より活躍している115系電車(2012年までは169系も使用)が使われてきました。
しかし、製造から40年近く経っており老朽化が進行。115系を置き換えるべく、しなの鉄道線では新型車両の導入を決めました。
今回はその新型車両について紹介いたします。
新型車両SR1系
2020年8月より新型車両SR1系が運用を開始。新潟地区のE129系をベースとした車両になっています。
2020年に投入された3編成は、デュアルシートを備えたライナー車両となっています。
平日には、座席指定制の特別快速「しなのサンライズ」「しなのサンセット」に…
休日には、同じく座席指定制の特別快速「軽井沢リゾート」と、曜日問わず、間合いの普通列車で運用されています。
その後、2021年3月以降に投入されたのが、今回紹介する通常タイプの座席を備えた一般仕様車です。
2022年2月現在、ライナー車両(100番台)が3本、一般車両(200番台、300番台)が7本の計10本が在籍しています。
ライナー車両は、別の機会に特別快速に乗車する機会があった際に紹介いたします。
一般車両の外観
SR1系一般車の外観は、従来から走っている115系のしなの鉄道色(以下:しなてつカラー)とほぼ同じデザインになっています。
115系のしなてつカラーが、将来のステンレスカー導入を考慮した塗装になっており、今回の2021年のSR1系一般車両導入で、デザインが活かされた形になります。
2021年3月に運用を開始した4編成、SR200番台は、妙高高原方に霜取りパンタが付いていますが、
2021年12月に運用開始の3編成、SR300番台には霜取りパンタが設置されていません。
車外行先表示器は、フルカラーLED式が採用されています。
SR1系 一般車両の内装
SR1系の車内全景です。元となったE129系と同じ配置ですが、モケットとつり革の色が異なるので、かなり明るい印象です。
E129系同様に、運転席側がロングシートとなっています。今まではロングシートが無かったので、特にラッシュ時の混雑に対応しやすくなりました。
運転席と反対側はE129系と同じく、セミクロスシートとなります。
これで長距離の移動も苦痛なく移動ができます。
妙高高原方先頭車の車端部には、優先席があります。
車端部をご覧いただくと分かりやすいですが、E129系では化粧板が無地の白、優先席は無地の黄色ですが、SR1系ではドアを含め、明るい木目調の化粧板となっています。
上田・軽井沢方車両の車端部には、車いす対応大型トイレが備わっています。
ボタンでドアを開閉するタイプになります。
鍵は電子鍵と昔ながらの物理鍵の2つが備わっています。
今までの115系では、観光列車「ろくもん」を除いてトイレが使用停止になっていましたが、このSR1系ではすべての電車でトイレが使用できます。
しな鉄線で長距離移動するときも安心して乗ることができます。
またトイレ横は、座席が設置されていない代わりに、車いす・ベビーカースペースとなります。
そのため優先席は、車端側の2席になります。
ドア上には、千鳥配置でLED式の案内表示機があります。
運転台後方には、しなの鉄道線の案内を行う液晶モニターが設置、主に沿線の情報が流れています。
つり革はE233系やE129系と同じタイプのモノが使われていますが、座席前は二等辺三角形ではなくドア付近のモノと同じ三角形。
色も黒色ではなく、東急2020系シリーズと同様に、クリーム色が使用されて明るい印象です。
優先席付近も、同じもの黄色でありながら同じようなスタイルです。
優先席のつり革と言えば、二等辺三角形のものなので、JR東日本に乗り慣れていると違和感を覚えます。
ドア横には、開閉ボタンが設置されています。
今までの115系では、手動で開けないといけなかったことを考えると、力を使わず簡単にドアを開けられるようになり、サービスが向上しました。
SR1系乗車 乗り心地レビュー
8時53分発 快速長野行きに乗車。滑らかに加速して行きます。
加速時のショックが大きい115系とは大違いです。
順調に90kmくらいまで加速、115系ではモーターや歯車の駆動音がうるさいですが、E129系では割と静かでした。
その後、中軽井沢駅に到着。
快速列車なので、平原駅を通過。
軽井沢から22分で小諸に到着。この区間で何度も115系に乗ってきていますが、隙間風がほとんど無く車内の温度もほぼ一定だなと感じます。
その後、田中、大屋に停まり、新幹線との乗換駅、上田駅に到着しました。
上田駅で半分近くの方が降り、乗客が入れ替わりました。
多くの方が乗車していますが、半分がロングシートということもあり、降車が比較的スムーズに行われています。
しなの鉄道の車両基地がある戸倉に到着。ろくもんとSR1系が縦列停車していました。
篠ノ井駅手前で、千曲川を渡ります。
塩尻、松本からの篠ノ井線が合流する篠ノ井駅に到着。
速度を落とし、留置されている横を通ると…
10時10分 軽井沢から1時間17分で終点・長野に到着。
1時間以上のやや長めの乗車でしたが、全体的に快適でした。
やや椅子が硬いですが、115系の椅子よりも疲れにくかったです。
おわりに
このSR1系車両は
- 清潔で明るい車内
- 揺れが少ない
- 走行音が静か
- 隙間風が無い
- 乗り降りがしやすい
で、かなり快適なものでした。
国鉄型電車115系の豪快な走行も好きですが、このSR1系もデザインがかっこよく好きになりました。
需要減少の見込みで投入両数が52両から46両に減少しましたが、今後のしな鉄のエースとして活躍していく姿を見守っていきたいです。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。