みなさん、こんにちは!keitrip/須田 恵斗です。
地下鉄と言えば、どのようなものを思い浮かべるでしょうか?
名前の通り、地下区間を6両~10両の長い編成、短くても4両の編成を連ねて、都市内を結ぶ路線のイメージでしょう。
今回は、それの真逆を行く、日本で最も変な地下鉄路線を紹介します。
始発の綾瀬駅
ここは、千代田線とJR常磐線各駅停車の境界駅、綾瀬です。
不思議な地下鉄は、綾瀬駅から発車します。今回は、地下鉄では日本唯一の0番線からの電車に乗車。
通常のホームの奥にあり、ローカル線感があります。
変な地下鉄の車両 衝撃的な光景が
不思議な地下鉄の車両は、千代田線塗装になった、元東西線の05系です。
行先表示を見てみると、「綾瀬⇔北綾瀬」と表示がされています。両端の終着駅のみの表示で、ここからローカル線感を感じます。
編成両数は、わずか3両編成。同じ東京メトロ丸ノ内線中野坂上⇔方南町の一部電車と同じ両数です。
※編成の長さは、こちらは60m。丸ノ内線は54mで、編成の長さが最も短いのは丸ノ内線中野坂上⇔方南町区間。
車内に入りましょう。案内用の液晶モニターがあります。これを見てみると…
たったの一区間のみしか表示されていません。ものすごいスカスカです。
綾瀬駅を発車
ブザーが鳴り、綾瀬駅を発車。
数多くのポイントを通過します。
その後、大きく左へカーブ。常磐線各駅停車を立体交差で潜ります。
大きな右カーブを終えて、すぐのところで引き上げ線が合流します。
60kmくらいまで加速したのちに、信号待ちのため駅間で停車。10両編成の代々木上原行きとすれ違いました。
その後、渡り線を通過。
10両分の長い北綾瀬駅のホームに入ります。
北綾瀬駅に到着 その先はどうなってる?
綾瀬から2.1km、所要時間4分弱で、終点・北綾瀬駅に到着です。地下鉄なのに一切地下を走らずに、終点に到着しました。
北綾瀬駅は、東京23区内の駅とは思えない1面1線で、隣にはホームが設置されていない線路があります。
日本一短い地下鉄、名古屋市交上飯田線の0.8kmに負けますが、それでもかなり短い距離です。
乗ってきた電車を見送って、次の電車を待つと、いつもの千代田線の電車がやってきました。
2019年のダイヤ改正から、この北綾瀬駅には、先ほど乗ってきた綾瀬⇔北綾瀬の折り返し電車以外にも、代々木上原や小田急線からの10両編成の電車が乗り入れるようになりました。
折り返しの様子を見ていると、多くの方が北綾瀬駅から乗車している姿を確認できます。
この区間の正式名称は千代田線となっています。都心の大動脈、千代田線の本当の終点が、こういった姿なのが意外ですよね…
駅の奥の方を見ると、さらに線路が続いているようです。
駅を出て、さらに奥の方を見ると、高架橋が降りて行くのが確認できます。
そして、少し待ってみると、乗客が乗ってない回送電車が、奥の方からやってきました。
そして、立て続けに千代田線に使われる小田急車4000形もやってきました。
この先にあるのは、東京メトロ千代田線の車両基地、綾瀬車両基地です。
この車両基地は、1969年の北千住~大手町間の開業の際に設置。
開業当時は、田園地帯であったこの地も、車両基地の運用と共に周辺が宅地化と市街地化が進みました。
その後、地元住民からの要望により、1978年12月に綾瀬~北綾瀬間の回送線を旅客営業化し、現在に至ります。
21世紀の現在では、周辺にはつくばエクスプレス青井駅や六町駅などがあり、交通の便がよくなりましたが、開業当時は公共交通空白地帯で、非常に便が悪い場所でした。
たった1つの小さな駅ですが、この駅が現在の谷中(北綾瀬駅の所在地)やその周辺を発展させたと言ってもいいかも知れません。
現在は10両編成電車の乗り入れもあって、始発駅で座れるというポジションで、穴場の居住地として、一部から注目を集めています。
まとめ 不思議な地下鉄
- 両数が3両と短い(丸ノ内線方南町支線と同数、編成長は方南町支線が最も短い)
- 運行距離が2.1kmと非常に短い(日本一短い路線は、名古屋市交上飯田線の0.8km)
- 上記の短い路線と異なり、走行区間が全て地上を走る地下鉄
- 博多南線同様、車両基地の回送線を旅客化した路線
と、この千代田線綾瀬~北綾瀬間(北綾瀬支線)は、13路線ある東京の地下鉄の中で、かなり異色を放っていることが分かります。
気になった方は、ぜひ訪れてみてください。今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。